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川上武範のブログ > no33勘違い(journals「想い」)

no33勘違い

wrote 2005.11.22

夜。電車内。まぁ普通に立ってて、隣に一人分くらいの間を空けて20代半ばくらいの女性が立ってた。夜だから窓越しに反射した姿が見えるのだけど。なんとなく外を眺めていたつもりがその女性に目がいって。その女性が自分を見ているような気がした。そんな経験ありません?
ま、気のせいかなと思いつつ、しばらくしてふと見たらまた見てて。もはや誰か知っている人かなと思ったが心当たりなく、顔に何か付いてるかなと確認しても何もなく、さりげなく周りを見渡すもそれらしき人は誰もいない。なんか知らないけど見つめ返してみた。そんな時、自分とその女性の間で座ってる若いサラリーマンが暴睡していたのだけど、携帯を床に落としたわけ。バッテリーが本体から外れて。当人は暴睡中。自分の中で愚かな葛藤が始まった。「ここで拾って、なんかアピールしているように思われるのも嫌だな。ま、降りるときに気づくだろ。もし気づかなかったらそんとき教えてあげればいいや」とかなんとか。そしたらその女性はすっとしゃがんで携帯を取り、その人の腹のところにポンと置いてあげた。それを見て、自分の愚かさに嘆いた。いつからこんな風に相手の目、しかも知らない人の目まで気にするようになったんだろうと。いい人と見られる事を嫌がった時期は確かにある。「お前は偽善者だ」と言われ、相当落ち込んだ時期もあった。でも、自分が正しいと思う行動をとることで人からどう思われようと気にしないと誓って立ち直ったはずなのに、またこうして人に見られる事を気にしていた。なんか自分のちっぽけさに恥ずかしさと不甲斐なさと後悔に苛まされた。
確かに携帯を拾ってあげた行動は素敵だなと思った。でもそれって、誰でもできるささいなことであって、そういうことさえ出来ないおれみたいな人間がいるってことが社会を駄目にしてるんだなって思ったら、出来る範囲で、他人を思いやる気持ちを取り戻したいと思った。
そう、勘違いは自分を美しくする。

そういえば数年前の今でも忘れられない勘違いエピソードを最後に。
場所、吉野家。会計を済ませ帰ろうとする。若い女店員、恥ずかしそうにおれに声をかける。
「(言いづらそうに)あのぉ」
「はい?」予期せぬ出来事に何かいい予感。
「(店員、人差し指を口元にあてながら)ここ」
自分の口元に手を当てるとご飯粒が。隣にいた見知らぬおばちゃん大笑い。

ま、人生こんなもんでしょ。

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