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川上武範のブログ > no35現実(journals「想い」)

no35現実

wrote 2006.2. 9

前を向いて歩いている。いや、歩くというよりはむしろ、目の前にある壁を少しずつ削り落としている感じ。暗い暗い。なかなか前へ進めない。でも止める気はなくて、削り落とし続ける。体についてしまった汚れは気になって。汚れる度に振り払い、また削り落としていく。
ただ、ふと振り返ればそこは青空で。風もない。大きな雲がゆーっくりと、東から西へ。広がる世界。息を深く吸い込んで。大地に立つ。実感する。両手を空に向けて伸びをする。それは想像以上の心地よさで。
土手に登って走り回る。笑顔。開放。
このまま空を飛べるかも、なんて空想。

でも振り返る事はしない。前を見る。何のためかなんて分からないし、別にどうでもいい。自分の居場所を探すため、そこにいていい場所を見つけるため。
電動シャベルが壊れてしまったから、手シャベルを振りかざし、力一杯に壁にぶつけ続ける。
「ガシッ、ガシッ、ガシッ」
全体の壁から見たら、この一撃はなんて微力なのだろうと弱気になる。いや、もしかするとこれが決定打で壁が崩れ落ちれ、目の前に新世界が広がるのかもしれないと希望を抱く。浮いては沈む明日を想像しても仕方ない。分かってる。だから今は少しずつでも、この壁を削りおとしていくんだ。

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