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東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

星、満天

読み始めてすぐに感じたのは、すごく境遇も考え方も似てるなぁということ。

「長崎に落ちた原爆は実は八幡の製鉄所に落とすつもりだったが、その日の天気が曇っていたから、近くの長崎に落ちたんだ」というくだり。ぼくも全く同じ事を幼少の頃聞かされて、運命について考え、宇宙の存在を考え、深い眠りにつくことがよくあった。
「実は自分の生みの親は違うのでは」という疑問。ぼくもずっと悩んで、本当に自分は親と似ているのか不安だったし、優しくされるほど捨てられるんじゃないかと不安でいい子にしてなきゃと思っていたし、今でも実家が自分の家という感覚ではなく、実家に「住まわせてもらっている」と感じている。ただ序盤を過ぎたあたりから「似ていると感じた境遇」が、全然違う形となる。

「オカンの人生は十八のボクから見ても、小さく見えてしまう。それは、ボクに自分の人生を切り分けてくれたからなのだ」というくだりで泣いた。なんでぼくのためにそこまでする!っていう不満が常にあって、ぼくを甘やかす親に嫌気が差していたが、このくだりを読んだ時、何か理解できた気がした。 終盤、泣き所が満載だった。喫茶店でひとり、目に涙を浮かべてしまっていたが、周りの人に気がつかれていたら、ちょっと恥ずかしい。
「親孝行したい」けどどうしたらいいか分からない方、ぼくもその一人なのだが、そんな方におすすめの一冊です。

review 2006.9.19

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