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川上武範のブログ > ジョゼと虎と魚たち(review「んでね」)

ジョゼと虎と魚たち

星、九つ

リアリズム溢れる作品だった。

自分の生きる道を持っていて、だからといってそれに固執しているわけでなく、気の向くままに生きている。そんな中、出会う一人の女性、ジョゼ。はじめはきっと好奇心からで、キザらず、素直なままで関わりをもった。
あるとき、ジョゼの言動を主人公は非難する。そして「あんたに何がわかる」と突き放す。「帰って」とジョゼに言われて「わかった」と帰ろうとする。それを引き止めるジョゼ。それに応える主人公。 初めて「誰か」のために自分を相手に依存した主人公。
永遠を手にしたジョゼ。終わりを覚悟した永遠。
落ちていく瞬間。
でも、現実はなかなかうまくいくことばかりじゃない。
なんだかんだ自分を正当化しながら逃げる道を選んでしまうこともある。
何も感じることのない海の底から生まれたとしても
一度優しさに触れてしまったら
たとえ海の底に帰ろうとも何も感じないようになることはない。
優しさは孤独を与えてしまうから。
孤独の続きはこの作品では描かれていなかった。
もし作品を作ることができたら、この孤独の続きを描いてみたい。

review 2005.9.24

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